石破さんの「尖閣」と、石原さんとの“あの対談”
1)石破さんの基本スタンス(かんたんに)
例えると、いきなり張り手じゃなくて、土俵際を固めて押し戻す相撲。地味だけど効くやつ。
2)石原慎太郎さんとの“尖閣対談”って、何を言っていた?
2010年ごろのテレビ対談(生前の石原さんと石破さん)で、
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石破さんはおおむね「尖閣に自衛隊を置くのが“実効支配”を示す最良の証拠」という趣旨を語り、
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石原さんは「じゃあ、なぜやらない? 総理になったらやるのか」と詰める――そんな攻めたやり取りがありました。
このやり取りは、2025年3月の参院予算委で野党議員から資料として示され、石破首相(当時)も「実効支配を確実にする努力は必要」と答弁しています(直近の“新しい会談”ではなく、過去の対談映像の話です)。松沢.com
補足:石原さんは2012年にワシントン(ヘリテージ財団)で「東京都が尖閣を買う」と表明した張本人。ここから国有化の流れが加速し、日中関係は大揺れに。Bloomberg.comFSight
3)で、石破さんは「本当に置くの?」— 現実的な返し
国会での石破さんの答弁はこういう骨子でした(要約):
要は、「やる気は否定しないが、“賢い順番”で」という現実路線。
(いきなり“常駐”に踏み込むと、中国海警の圧力増・偶発リスク増・通関などの摩擦が跳ねやすい、という読みが背景にあります。)
4)石破路線の「実務メニュー」(段階で考える)
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文民・無人から積む:灯台・環境保全などの公務員機能や無人監視・通信中継を先行。
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海保を増強:巡視船・ヘリ・無人機、係留設備の量と質を上げる(前面担当)。
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自衛隊は“背後から即応”:必要時に海上警備行動等で迅速に上げる設計。
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同盟の可視化:「5条は尖閣に適用」を繰り返し明文化しつつ、共同訓練や補給線の整備で抑止を厚く。松沢.comBloomberg.com
すぐCRUSHではなく、“既成事実を積む”。地味だけど長く効くタイプ。
5)不動産屋としての私見:現場は「空気」じゃなく「手続き」で守る
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KYCを深掘り(実質的支配者の確認)、管理規約で運用リスクを絞る。
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自前のデータ台帳(所有権移転×価格帯×エリア)で“兆し”を早めに掴む。
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地政テーマに沿った資産配分(供給網・代替素材・物流冗長化は追い風)。
国の守り方が「手続き×運用」なら、現場の守り方も「KYC×規約×データ」。やることはシンプルです。
6)今日の結論(超要約)
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“石原×石破”の対談では、「自衛隊常駐=最強の実効支配」と「なら、やるのか?」が核心。これは過去の対談映像として国会でも参照済み。松沢.com
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石破路線は、やる気を否定せず、順番と総合設計を重視(海保・法整備・南西配備・同盟運用を束ねる)。松沢.com
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“すぐ常駐”はリスクが高い。段階的に既成事実を積むのが現実解。
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現場はKYC×規約×データで「静かに強く」。それが属国化を遠ざける近道です。
KYC(ケーワイシー)= Know Your Customer の略で、「お客さまをちゃんと知る手続き(本人確認+取引の目的・資金の裏付け確認)」のこと。マネロンやテロ資金、反社の関与を防ぐために、日本でも犯収法(犯罪による収益の移転防止法)で義務づけられています。金融庁警察庁
不動産屋目線のカンタン整理
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なぜ必要?
法律で、特定の業種(不動産業を含む)に取引時確認(本人確認)・記録保存・疑わしい取引の届出などが義務化されているから。国土交通省
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何を確認する?(基本)
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本人の氏名・住所・生年月日(個人)/会社情報(法人)
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取引の目的(自用・投資など)や職業/事業内容
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資金の出所(自己資金・借入 等)
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実質的支配者(UBO):法人の背後で25%超の議決権などで実質支配している個人の確認(※法人形態により見方が異なる)
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継続的モニタリング(不自然な動きがないか)
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記録保存(原則7年)と、疑わしい取引は届出。警察庁国土交通省金融庁
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オンライン対応(eKYC)
オンライン完結の本人確認方法も整備。近年はなりすまし対策でICチップ読取などへ強化の動き。金融庁+1
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反社対策
契約書に反社会的勢力排除条項を入れ、事前チェックを徹底。国交省のモデル条項も参考に。国土交通省
取引タイプ別の“実務チェック表”ミニ版
個人が相手
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本人確認書類+現住所の確認
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取引目的/職業のヒアリングメモ
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資金の出所(自己資金・融資)
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制裁・PEP等のスクリーニング(必要に応じて)
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記録の保存(7年)と不審時の届出判断 金融庁
法人が相手(SPC等ふくむ)
ワンポイント:「空気」じゃなく「書類」と「痕跡」。
誰と、何の目的で、どんな資金で取引するのか——紙とデータで説明できる状態にしておけばOK
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